へんたいしょうじょ(略)のけんきゅう

「変体少女文字の研究」という本を再読。この日記タイトルは意図的に変態と読めるようにしてますが真面目な本ですw
数年前、人から借りて読んでいたのを再び読みたくなったので、amazonでググって古書で入手。
DTP系文字オタとして、歴史書として面白いんだけど、「少女が書く丸文字」という一見サブカルチャー的な物を「文字文化」にリンクさせた分析本として面白い。
1986年に出版された物で、ネタ的には古いんだけど、これの応用で携帯絵文字とか「ギャル文字」もたいてい説明つく。
んで、文字オタ的には、JIS2004へのカウンターにもなってて2度おいしい。
さらに、結論で「21世紀(2001年)には世の中は『かわいい』であふれているだろう」と予言していたが、この『かわいい』を『萌え』と置き換えるとかなり当たっている。

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うちのサークル本、いわゆる普通のオフセ印刷に出さずに、印画紙に焼く写真屋プリントにこだわるために、製本がクリアファイルという、一見やすっぽい装丁で作ってるんだけど、そのへん、文章にしてブログなりにはっておいた方がよいかもなぁ。

線画+網掛けのマンガがオフセで綺麗に出せるのはそうなんだけど、
一般の商業印刷でカラーになると、CMYの網点の組み合わせで色を表現してて、目が慣れると網点が見えちゃうのね。
解像度でいうと、2400dpiの版が作れる印刷所の場合、100階調(1色あたり)で240lpi(ラインパーインチ。線数)。175線ぐらいで出しているところが多そうかな? 256階調を表現すると150線。(出力機の解像度÷√階調=線数)
いまでも割と1200dpiの印刷所って多そうだから、1200dpiで120lpi。
んで、写真屋が使っているいわゆるデジタル現像機は300dpi。
数字だけ見ると、オフセの方が解像度高いけど、デジタル現像機の1ピクセルは256階調×3色。単純に比較できないんだけど、オフセのカラーは線数で1ピクセルの色を出してる。
つまり、オフセで175線ぐらいでは、デジタル現像機の300dpiに対抗できない。
商用印刷でも『グラビア印刷』は1ドットで階調出せるのだけど、今、本当のグラビア印刷してる低価格印刷物ってないような。(絵画のカタログとか高級本に使われているらしい。たぶん、自分も見たことない)。

んで、文字や線画はオフセで綺麗、というのは、「出力機の解像度÷√階調=線数」という式にも繋がるのだけど、2階調だと、2400dpiなら、2400lpiと同義になるため。

商業印刷のカラー文字にシアンやマゼンダが多いのは、ほかの色にすると、網がかかって読みづらくなるため。赤は「金赤」といって、マゼンダとイエローを網をかけずに混ぜてる。

ちなみにカラー印刷の原色はCMYで、「K(黒)」もCMYの混ぜ合わせで表現できるけど、混ぜると見た目が悪くなるので、文字用に「K」が独立している。

あー、日記に書く話じゃないw

つまり、写真は写真屋の現像が綺麗で、文字はオフセが綺麗。
両者を混在させるにはむっちゃコストがかかる。

で、最近のレーザープリンターならカタログスペック1200dpiぐらいなので、
うちのサークルがやっている、「文字はレーザープリンター、写真はデジタル現像」って手法は、安く高画質の完成型みたいな物。

しかし、製本が手作業になるため、今回の合宿のペースを基本に考えると、1回に100冊の量産が限度かも(今回は3人で45冊)。
さいわい(?)ピンキー写真というのがニッチなので、1種に30部とか在庫があると、不良在庫扱いしてしまう現状www